2016年11月23日

ちょっと異色(?)な時代劇4冊

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このところ読書関係の記事を書いていないので、もう読書病は収まったかと思いきや、ちゃんと読んでいます。
とりあえず、まとめて4冊ほど📖

タイトルの異色というのは、これまでほとんど侍モノや素浪人モノばかり読んでいた私にしてみれば異色ということで、今回はただの(?)素浪人ではなかったり、市井の町人モノだったりということです。
市井の人モノといえば、藤沢周平さんか宮部みゆきさんしか読んでいないかも。

占い屋重四郎江戸手控え」 池永 陽

占い屋の主人公を設定した異色時代劇。
しかも素浪人の占い屋とは面白い😃

ただ占い屋といっても、いわゆる易とか星読みとか手相とか、そういうものではなく、一種の千里眼というか予知能力の持ち主なんです。

ストーリー は、自らの占いで出た答えに巻き込まれていく素浪人のお話で、連作短編形式の形をとっていますが縦軸になる話があって、それがクライマックスに完結していきます。
一話一話の終わり方があまりにもすぱっと終わり過ぎて、余韻がないぶん感動も妨げられている感がありました。
それこそ縦軸の話も余韻がなく。。

ただひとつひとつのストーリーは、まるで連続テレビドラマを見ている楽しみがありました。
ユーモア時代小説なのかなぁ。
何も考えずに純粋に楽しめる一冊でした。


おーい、半兵衛 剣客志願」 森詠

竹刀ではさっぱりだけど、真剣での戦いならめっぽう強い大垣道場の長男半兵衛。
しっかりしようとはしているけど、どこか抜けている長男特有(?)の性格で、道場破りや大店の令嬢誘拐事件に巻き込まれていく、ちょっとコミカルな時代劇でした。

主人公の性格といい、まわりの人たちといい、キャラが立っているので読みやすかったです。
前述の「占い屋〜」同様、どこかテレビドラマ的なほんわかした味付け。
これが第一作で、その後も何冊か続いているようです。

作者の本は読んだことはないものの、冒険小説やアクション・バイオレンス小説というイメージがありましたが、こういう軽い作品もあったんですねぇ。


さきのよびと ぶらり笙太郎江戸綴り」 いずみ光

とある事故で死にかけたのがきっかけで、幽霊が見えるようになった侍のお話。
死者の言葉を聞き、今生の思い残しを遂げる手助けをしてあげることによって、自らの生い立ちや大きな事件に関わっていきます。

主人公は私がよく読む素浪人ものと違って、小藩といえども立派な江戸詰の藩士。
言葉やしきたりというか、いろいろ面倒なことが多くて読みにくい印象💨
いや、これは私だけか⁉
話が突然変わったときは一行開けておいてほしいなとか、以前に出てきた人の説明をもう一度簡単に記してほしいなとか、微妙な気持ちはありますが、最後まで読むと伏線が張られていたなと思うことも多かったです。
ちょっと展開が都合がいいなと感じるところも多いんですけど。

想いを残すと成仏できないといいますが、その願いが叶った感動は、やはり今生も来世も同じなんでしょうね。

ちなみにタイトルの"さきのよびと"とは、来世のことを"さきのよ"というらしく、"幽霊"という言葉だと冷たい感じがするので"さきのよびと"としているようです。
確かに幽霊とかは冷たいですね。
お化けなんて、とんでもない👤


もどりびと 桜村(おうそん)人情歳時記」 倉坂鬼一郎

珍しく素浪人モノではありません。
連作短編の市井人情もの。
市井の時代劇というと、藤沢周平さんか宮部みゆきさんくらいしか読んでないような気がするのですが、はて、何でこの本を買ったんだろう⁇

でも結果的に言うと、大正解でした❗
主人公は俳諧師。
わかりやすく言うと、句会に呼ばれて、そこで俳句を詠み、他のメンバーの人たちの俳句を評価・指導する仕事ですね。
ただ主人公といっても、個々の物語の中心で立ち回るわけではなく(最後のお話は中心かな)、それぞれのストーリーに微妙に関わってくる立場です。

「俳諧師の「俳」の字は、人に非ずと書く。だから人には見えないものを感じ取ることができる」と作中で語っていますが、だからといって特別な能力があるわけでもなく、ただ、心残りになった人の想いを感じとり、呼び寄せてしまうのかもしれません。
悲しい想いも嬉しい想いも、それを乗り越えることによって、初めて本当の幸せを感じるのでしょうね。

物語の本筋ではありませんが、浅草について的を得た言葉があったので抜粋します。
あくまで私感ですが💦

『行く手に浅草寺の甍が見えてきた。
あのふしぎな路地と見世があるのも、浅草という町ならではだ。取り澄ました顔のよその町では、息が詰まってそのうち消えてしまっただろう。美しいものからうさん臭いものまで、この町にはあらゆるものが詰まっている。だから、たとえあやかしであったとしても、さりげなく路地を通って戻ってこられる』

『(いい句だ…。
無季だが、「浅草」はどんな季語にもまさるからな)』

うん、確かに言えてる😃
posted by ろーにん at 20:31| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする