2024年09月15日

「灯台からの響き」を読んだ

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宮本輝著「灯台からの響き」を読み終わりました。
今回も図書館利用。

スマホもGoogleマップもLINEもあるのに、どうも昭和の雰囲気と度々錯覚。
灯台巡りの旅という、いわばロードムービー的な作品かと期待していたんですが、半分は主人公のラーメン屋の話という印象でした。
あらすじを読むと旅が中心ぽいんですけど^^;

愚直なくらいラーメン作りに一途になっていたので、他のことは何も知らないような主人公。
作中に出てくる森鴎外の「柴江抽斎」という史実小説同様、ひと一人の人生を細かく語っているようです。
それでも中盤を過ぎた頃から何故か読みやすくなって、物語の核心に迫ってきた頃からはサクサク進んで読後は爽やかな感慨深い気持ちになれました。

なんでもないような人でも、その人の人生にはいろんな物語があって、心にしまっておきたいことややりたくても出来なかったことが、その人を形作っているんだなぁ。



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2024年05月04日

「思い出トランプ」と「無名仮名人名簿」を読んだ

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これまで読んだことがなかったのですが、何かで頻繁に「向田邦子」の名前を目にすることがあって、それ以来母がお気に入りの作家さんの一人だったのもあり、図書館で借りてきました。

あえて説明するまでもない名作家でありエッセイストであり名シナリオライター。


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2024年04月18日

「貴賓室の怪人」を読み終わった

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内田康夫著「貴賓室怪人」シリーズを読み終わりました。

毎度の浅見光彦シリーズですね。


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2024年03月29日

ユタよりコタな私...

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内田康夫著「ユタが愛した探偵」と「氷雪の殺人」を読み終わりました。

行ったことない日本の北と南の地。
憧れる。。



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2024年02月23日

薔薇と…気をつけろ!!

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内田康夫著「薔薇の殺人」を読み終わりました。

元は短編だったらしく、ページ数も少ないのでお手軽に読めます。

殺人事件なので後味は悪いですが、宝塚歌劇団をモチーフにした物語になっています。

私は実際の劇場にいったこともテレビ等で観たこともありませんが、ある意味一種独特の世界ですよね。

時代は「ベルばら」の時期のようですよ🌹


そして気をつけろ!というのは…



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2024年02月15日

「風待ちのひと」を読み終わった

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伊吹有喜著「風待ちのひと」を読み終わりました。
爽やかな大人の恋愛小説。

女性の主人公は床屋さんだったことがあって、茶道や華道も嗜むらしく、そういえば私が通っていた床屋さんもそうだったなぁ。
美容師さんは成人式なんかで着付けとかもできるらしいけど、礼儀作法は大事なんでしょうねぇ。


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2023年09月23日

「007 白紙委任状」を読んだ

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ジェフリー・ディーヴァー著「007 白紙委任状」を読み終えました。

007、ジェームズ・ボンドですね。
そしてジェフリー・ディーバーといえば映画「ボーンコレクター」のリンカーン・ライムシリーズでも有名。

そのジェフリー・ディーバーが描くジェームズ・ボンドや如何にということなんですが、うーん、微妙に違和感というか、読みづらさというか。
007といえばある意味スーパーマンであり超能力者であるわけですけど、ちょっと都合がよすぎるんじゃという展開が目立ちました。
後出しじゃんけんというか、それをどんでん返しとは言わないんじゃないのかなって。

もちろんハラハラドキドキはありますし、アクションもおしゃれな展開もQの秘密兵器も楽しめます。
時代設定が現代で、しかもジェームズ・ボンドが比較的若い設定なんですね。
なのでショーン・コネリーやロジャー・ムーアの映画を想像すると雰囲気が違います。
現在のダニエル・クレイグ風かな。

ジェフリー・ディーバーはやっぱりリンカーン・ライムシリーズが合ってるんですね(本は読んだことない…)。

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2023年02月13日

図書館で本を借りた

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還らざる道」内田康夫著を読了。

今回は珍しく図書館で借りてきました。
なんとなく以前、一度読んだかもと思ったので買うのもなんだしなぁと。
図書館で借りるなんて何年ぶりだろう。

いつもの浅見光彦シリーズ。
旅情ミステリーは、まるで自分もそこに行ったような気分に浸れるところがいいですね。
今回のように行ったことがない場所だと特に。

人はみな帰るべきところがある…

うーん、自分は引越しが多かったからどこになるのかな。


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海馬と書いてトドと読みます。
トドといっても私の叔母のことではありません(爆)
海辺に棲む大型哺乳類ですね。アシカとかアザラシとかの。あ、叔母も海の近くに棲んでいる大型哺乳類か💦

冗談はさておき、吉村昭著「海馬」を読み終わりました。

生き物と関わる人間の生き様を描いた動物小説集。
この中の一編「闇にひらめく」が、映画「うなぎ」の原作でもあるんですね。
映画はまた設定を変えていますが、人の内面を静かに語っているのはこちらかも。
じっくりしっとりと物語の世界に浸れました。

挫折した人間に対する優しい眼差しと希望。
狩られるものへの尊厳と、生業としている者の矜恃。
生き物たちの神々しさ。

どれも人間と動物の生き様と命を、あるときは残酷に、またあるときは優しく紡ぐ物語。
淡々とした語り口ながら、陽の光や夜の暗さまで感じられるのに、それと同時に人間の感情まで表現されているのは名人芸というか、現代作家にはなかなか見られない感性なのかも知れません。
動物小説集とはいえ、やはり人間ドラマ。
人間はいろいろなものに生かされているんだなぁ。

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2023年01月25日

「過ぎ去りし王国の城」を読んだ

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宮部みゆき著「過ぎ去りし王国の城」を読み終わりました。

ゲーム大好きの宮部さんのファンタジーノベル…ということだったのですが、読んでみると結構ハードというか、現実的な社会問題を扱っている作品でした。

ひょんなことから手に入れた中世ヨーロッパ風の城の絵。
実はその絵に触れることで絵の世界に入っていける絵画だった。

そこには現実とパラレルワールドとが入り混じった世界が展開されている…かもしれないと知った主人公たちの冒険譚。

中学生くらいの男の子を主人公にする作品が多い宮部さんですが、私が男のせいかどうもいつも子供っぽく感じてしまうんですよねぇ。
あの頃の自分って、こんな感じだったかなぁ??

まぁ、すっかりおっさんになってしまった自分からすれば、それも初々しさに思えるのは当然かも知れません^^;

それにしても独特のタッチの文章を書く宮部さん。
作家とか小説家っていうより、やはり当代を代表するストーリーテラーなんだなぁ。

リンク先の動画もいい感じです。
宮部さんの声も可愛かったり。



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2022年12月21日

「ワンモア」と「蛇行する月」を読んだ

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桜木紫乃作「ワンモア」と「蛇行する月」を読み終わりました。
いろいろやることがあって短編の割に時間がかかってしましました^^;

ワンモア
生と死と愛と友情を綴る連作短編集。
こう書くとなんだか陳腐なイメージを持つかもしれませんが、底辺にあるのは生と死です。
そこに登場人物たちが絡み合うとき、愛や友情がひしめき合って全体を包んでいる作品でした。
桜木さんの小説は常に北の大地の厳しさと人の温かさを描いていて、この作品でも心に刻まれた傷を身体の温もりで癒すような、一見刹那的に思える関係ですが、人間は理屈じゃないんですね。

作品では「ラッキーカラー」が一番好き。
ある意味桜木さんらしくない(?)ようなストーリーに、特に登場人物と同じくらいのアラヒィフの女性はヤキモキしたりガッカリしたり喜んだり涙したり、この章の主人公浦田さんを応援したくなるのではないでしょうか(笑)

犬もちょっとキーポイントになってるところも良いかな♪


蛇行する月
ある意味「ワンモア」と似た感じの作品。
やっぱり上手い。感心するほど上手いです。
女性たちが主人公なのでおっさんの私にはなかなか想像できないけど、それぞれの立場を縦横無尽に行き来する表現方法に圧倒。

高校時代の同級生4人と他2人の6人の蛇行する人生と、その真ん中を突っ切るように生きる一人の女性を軸に紡がれる連作短編です。
つきなみな言い方ですが、しあわせは他人と比べることではなく、自分の心が決める。
ほんとのしあわせってなんだろうねと考えさせられる作品でもありました。

ちょっと長いけど、こちらも♪





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2022年10月18日

本所おけら長屋 19を読み終えた

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畠山健二著「本所おけら長屋 19」を読み終わりました。

いつもながら笑って泣いて、爽やかな気持ちにさせてもらいましたよ。

「ほろにが」
勘違いから起きる騒動。
ありがちな展開でもあるけど、そこはおけら長屋風に粋に収まります。

「ぜんあく」
本当に人のためってなんだろう。
善が悪に勝つには、やっぱり心根ってやつなんだなぁ。

「せんべい」
これはまさに落語。しかもきっちりと人情噺で落としてます。
これぞおけら長屋!

「はりかえ」
中心人物の一人、松吉がお栄と祝言をあげる。
おけら長屋だから、何事もなくおさまるはずはないけど、最後はやっぱり笑いと涙です。

本文中の言葉、
「わかっていますよ。本当のことが大切だなんて思っていません。みんなが幸せになれることが、本当のことなんです」
という言葉が深い。
人間、生きていれば色々あるんです。

ということで、早く第二十巻を読みたくてたまらない(笑)


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2022年10月07日

「幻の殺意/夜が暗いように」を読んだ

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東京創元社文庫の「幻の殺意/夜が暗いように 日本ハードボイルド全集5 結城昌治」を読み終えました。
あとがきまで入れて(私はあとがきまでしっかり読みます)676ページ。

好きなんですよ、結城昌治さんのハードボイルド。

冷めた文体が大好きな作家さん。
決して明るくもないし希望が訪れるとは限らないけど、人間の業を優しく受けとめている作品が気に入っています。
昭和なのも良い!

「幻の殺意」
冷めた文体はまさにハードボイルド。
一人息子が殺人犯⁉️
孤独な調査の裏に信じ難い真実が明らかにされる。
でも普通の会社員がこんなふうに動けるかな。
息子のためとはいえ。

「霧が流れた」
結城作品を読むきっかけになった名作「暗い落日」の主人公 探偵・真木のシリーズ。
ハメットなどのアクション型ではなく、ロス・マクドナルドのような静かな展開。
苦い結末となんともいえない寂寥感漂う感動も魅力です。

「風が過ぎた」
これも真木シリーズ。
ストーリーはわかってしまうけど、やはり余韻が心地好い。こういうところが好きだなぁ。

「夜が暗いように」
こちらも探偵・真木が主人公。
これもなんとなくわかってしまう展開ですが、逆に後味が辛かった。
まぁ、どう転んでも誰かが不幸になるのはわかっていたけれど。

「死んだ依頼人」
ちょっとユーモラスな印象。
久里十八という探偵所長のイメージがつよいからか。
実際行動するのは、対を成す佐久という探偵。所員ではなく彼も探偵。
いいコンビ感が出ている。
結構早い時期のシリーズもの。

「遠慮した身代金」
話はすぐにわかる。やはりいろいろ昭和だな。

「風の嗚咽」
名無しの弁護士。犯人は意外というかちょっといきなり卑怯だな(笑)

「きたない仕事」
紺野弁護士シリーズ。
読んだことはない…と思う。
犯人はだいたい予想通りだけど、何が汚くて何が真っ当か。
ラストはそんなことを考えさせられる作品。

「すべてを賭けて」
数字にはからきし弱いんですが、ただただ女は怖い。。
というか、男がやはりバカなのか?なお話(笑)

「バラの耳飾り」
イヤリングと書かないところが昭和で良い(笑)
最後の一行がほっとさせられる。
肝心の探しものはどうなったのか書かれていないが、きっと悪いようにはならなかったんじゃないかって思わせてくれます。
こういうところが上手さなのかなと思う名作。

結城昌治氏はハードボイルド作家としてデビューしたわけではなく、いろんな要素をもった作家さん。
だからこそハードボイルド特有のただ冷たくて暴力的で後味悪いワンパターンじゃないんだなぁ。
筆力と人間味を備えた方だったんだなぁと思いました。
すでにお亡くなりになってから30年近く経つようですが、こういう作品をもっと読みたかったです。

で、次に読むのは…例のあのシリーズ(笑)



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2022年07月20日

金田一東京モノ三作読んだ

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…ひどいタイトルだなぁ^^;

横溝正史作、金田一耕助シリーズ三作品を読んでました。
どれもマイナーかな。

扉の影の女
事件とは別に、金田一耕助の日常がうかがえる、そういう意味でもちょっと変わった面白みもありました。
事務所兼住居にいるときの金田一耕助、寝るときはタオル地のパジャマに綿入りのちゃんちゃんこという格好らしい。
ココア好きで、朝食はバターたっぶりトースト2枚に牛乳、缶詰のアスパラガス、ウインナー。たまにサラダも作る。
昼にはテンダーロインステーキ、フランスパン、コーヒーと果物などと、かなり洋食派のようです。
意外ですねぇ。

でも東京が舞台だといまいち面白くない。
叙情性に欠けるというか。。
今回のトリックも作者お得意のパターン。
どこがとは敢えて語りませんけど。

もう一作は「鏡ケ浦の殺人」
こちらのほうが面白かったです。
短編だけにスピード感もわかりやすさも、そして昔ながらの読唇術を絡めた展開や、ラストの警察官ではない民間人だからこその犯人当てもワクワク。
エンディングも珍しく爽やかでした。

支那扇の女
いわゆる裏の裏をかいたエンディング。
推理しながら読んでいる側からすると、それはちょっとないなというか。
人の闇の部分を描いた作品でした。
金田一耕助がスーツを着るという場面を想像するのも一興か(笑)

「女の決闘」
「支那扇の女」に収められている短編。
タイトルが怖いな(笑)
これも裏の裏をかいた感じのエンディング。
現在の女性像からはあまりぴんとくるものはないけど、心の底はそんなに変わらないのかも。
男は単純で、生涯厨二病だから楽なもんだ(笑)

夜の黒豹
やはり東京が舞台の話なので、なんだか深みがないかなぁ。
地方色が豊かな話と比べて情緒がないというか。
まるで警察小説のような印象も。

いつものエログロも健在(?)で、登場人物と血縁関係が交差しているのはシリーズでもお馴染み。
ただ最後はちょっと今までとは違った展開にびっくりかな。
犯人は…だいたいわかりました(^^)v

さて、次はもっと爽やかな本を読みたいです(爆)



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2022年06月12日

「坊っちゃん」をちゃんと読んだ

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前記事の浅見光彦シリーズを読んで坊っちゃんを思い出したので(浅見光彦は家柄が良いので、お手伝いさんから坊っちゃんと呼ばれています)、夏目漱石の「坊っちゃん」を読んでいました。

ちゃんとじっくり読んだのは初めてかも。

江戸っ子の坊っちゃんの真っ直ぐさに笑い、心洗われた気持ちです。

当たり前だけど、大文豪は上手い!!
本当に言葉の使い方や表現、リズムとかが絶妙。

ちなみにこの表紙はiPhoneのアプリ。
青空文庫版をダウンロードして読みました。
無料だから助かります♪

さて、次は何を読みますか。


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2022年06月07日

「鳥取雛送り殺人事件」を読み終わった

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関東地方、梅雨入りしました。
こんな時期は本を読むのも良いのでは。

内田康夫著「鳥取雛送り殺人事件」を読み終わりました。
いつも通り、安定の展開。

今回は深ーく考えると、ある意味ちょっと怖い話かも。
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2022年05月30日

「黄色い風土」を読んだ

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松本清張作「黄色い風土」を読み終わりました。
約750ページの長編社会派推理小説。

いつもながら、清張さんの主人公は地道な調査を積み重ねて事件の真相に迫ります。
これは「西郷札」や「点と線」「砂の器」等からずっと受け継がれている執念ともいえる情熱。
しかも事件を追うごとに強大な敵の影が見え隠れして、サスペンス小説としても成り立っています。
まるでヒッチコック作品を観ているよう。

ちょっと主人公の都合のいい推理が成り立っていく感もあったり、何度も同じ事を繰り返していく段もありますが、それは長編であるが故に物語を精査するのにも役立っているかも。
また次から次へ事件が続いていくので飽きさせません。

犯人は途中で何となくわかりましたけど、その残虐な犯人の悲惨な最後は溜飲を下げるにあまりある恐怖かも。

私がまだ生まれる前の作品なので時代背景は結構古いんですけど、ケータイとかインターネットとかがない昔のほうが、時の流れも人の感情も情緒があっていいですよね。

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2022年04月14日

「女のいない男たち」を読んだ

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村上春樹作「女のいない男たち」を読み終わりました。

タイトル、私のことではありません...(泣)

アカデミー賞を獲得して話題になった「ドライブ・マイ・カー」が収められているので読んでみたわけです。

そもそも「ドライブ・マイ・カー」と聞くと、私は速攻でビートルズの曲を思い出してしまうわけで、ビートルズの曲と同じタイトルを使った映画や小説って多いですよね。

村上春樹作品がまず私には初物なんです。

なんか羊男が出てきたり、そのうちねずみ男(鬼太郎か)や蛇女(ゴーゴン)とか出てくるのかなぁなどと勝手に思って(汗)、読みにくそうで敬遠していました。

でも実際読んでみるとそんなに読みにくさはなく、文章も上手いし頭も良い方だなぁと感心することが多かった印象。
モノローグ的な表現が多いので、私には決して読みやすいとはいえないけど、思っていた以上にするすると場面を想像することができました。
村上春樹作品には性的表現が多いと聞いていましたが、ここまで多いのかとちょっとびっくりもしましたが。

この本は6編から成る短編集で、「ドライブ・マイ・カー」はその中の一作品。
どれも女のいない男たちの話です。

女性にとってみれば別れた男のことなんてすぐ忘れてしまうものかもしれませんが(女じゃないからわからないけど)、男は引きずりますからねぇ。。

一人の女性がいなくなるということは、一つの世界が失われたも同然ということなのかもしれません。

そういえばなにかのテレビ番組で、「男は一生好きなものが変わらないけど、女の場合は好きになった男が好きなものに興味を持って好きになる」という心理学者の言葉がありました。
例えばサッカーなんて全然興味なかった女性が、サッカー好きな男性と付き合い始めると途端にサッカーに興味を持って好きになるとか。

なるほど。。
男は子供の頃からずーっと車とか電車とか好きだからなぁ。
線路際で、幼い子供が母親と電車を眺めているのはほとんど男の子だし(笑)


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2022年03月23日

「夏の災厄」を読んだ

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篠田節子著「夏の災厄」を読み終わりました。

600ページ弱。。

本書は1995年に刊行されたようですが、令和の現在起こっているコロナ禍を見事に先取りしているかのような作品。
新型ウイルスに対する医療現場や役所、医薬品メーカー等々の動きを冷徹なほど現実的に見つめながらも、それぞれの思いや戦いを描いています。

当時は今ほどSNSの発達は考えられなかったから、この小説のような動きはなかったけど、営業短縮とか不要不急の外出とか市民生活の変化は全く現在といっしょかも。
すごい!


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2022年02月28日

「魔女の暦」を読んだ

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横溝正史作「魔女の暦」を読了。
表題作と、もう一編「火の十字架」という作品も収められていましたが、両作ともなかなかのエログロです。。

横溝シリーズといえば「犬神家の一族」や「悪魔の手毬唄」や「獄門島」など、どこか旅情ミステリー的な優雅さを感じさせるのですが、この作品のようにかなり猟奇的なエログロ作品も結構あるんです。

殺害方法もかなり陰惨なので、万人にはお勧めしません。
まぁ、有名作品もかなり陰惨ですけど^^;

けど、やっぱり金田一耕助の佇まいっていいなぁ。


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2021年11月02日

本所おけら長屋 17を読んだ

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今更ながら、畠山健二著「本所おけら長屋 17」を読み終わりました。
本の下部に写っているのは栞。
「今だから 笑いと人情」
まさにこんな物語です。

発売日に購入したにもかかわらず今日まで読み終わらずにいたのは、毎回面白すぎて一度読むと一気に読了してしまい、あっという間に「おけらロス」になってしまうからです^^;

いや、これがほんとに深刻。
今もちょっとポカーンとした状態。

このところ気持ち的にもぶっ壊れかけた感じなので、そんなときにこの本はいい薬になりました。

毎回毎回同じことを書いてますけど、やっぱり笑いました。
そして泣きました。
なんでもないシーンでも泣けてくるのはなぜだろう。

こんな人たちがまわりにいたら心強いだろうな。
いや、かなり迷惑でもあるかも...

次回作が楽しみ。
またこの世界観に浸りたいです。


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